育児において、父親も積極的に関わることが求められる現代。
しかし、育児に関わろうとするパパたちは、思うように評価されなかったり、不満を言われたりすることが多く、次第に孤独感や無力感を感じてしまうことがあります。
この記事では、育児におけるパパの孤独感、産後うつの原因とその解消法を探ります。
目次
育児中のパパが感じる孤独感の実態と背景
多くのパパは、家族を支えるために働きながら、育児や家事に積極的に関わろうとしていますが、社会や周囲から十分な理解や評価を得られないことも少なくありません。また、育児休暇の取得に対する職場の風土や、育児参加を当たり前とされることが、パパたちの心に孤独感をもたらしやすい状況を作り出しています。
育児も家事も頑張っているパパが、孤独を感じやすいって聞くと他人事じゃないなぁ。
にゃんだかんだで『男は外で働くもの』って思われることが多いから、理解されにくいのかもね。
感謝される機会も少ないと、やっぱり寂しくなるよね。
社会的期待と役割の不確かさ
「男は外で働くべき」という価値観
現代においても、男性は外で働き、家庭を支えるべきという価値観が残っています。育児に関わりたいきもちと、働いて家庭を支えないといけない気持ちが交差し、ストレスを溜める要因になっています。育児休暇を取りづらい環境
男性の育休取得率があがったとは言え、令和6年時点で3割程度の取得率です。多くの父親が育児休暇を取得しづらい状況にあり、育児参加の機会が限られています。
自己犠牲による孤独感と疲労の蓄積
趣味やリフレッシュの時間が取れない
仕事に育児と疲弊することが多く、自分の時間が減り、精神的な疲れがたまりがちです。自己充実の機会が少ないと孤独感が強まり、育児への意欲も低下しやすくなります。感謝されにくい育児参加
育児に参加することは当然ではあるのですが、それでも当たり前とされがちな状況では、心も疲れてしまいます。感謝されづらい環境だと、家庭内での疎外感を抱きやすくなります。
分担しているはずなのに……なぜパパは疲れるのか?
仕事と育児の両立は大変だからこそ、家庭ではできることを分担して協力しているはず。しかし、パパが疲労感や孤独感を感じることは少なくありません。なぜ「これだけやっているのに、まだ満たされない」と感じてしまうのでしょうか。
育児の分担と評価のギャップ
頑張っているのに評価されない
パパが育児に積極的に関わり、分担しているにも関わらず、どうしても母親からの不満が続くことがあります。「これをやってほしい」「もっとこうしてほしい」という言葉が繰り返されると、パパは「頑張っているのに」と感じ、評価されていないという思いが強くなり、孤立感を深めてしまいます。思った通りにいかない育児の現実
育児に関わりたいという気持ちで始めたものの、実際には「それは俺の担当じゃないのに……」と思う場面や、母親から「もっとこうしてほしい」といった要望が出ることが多くあります。仕事と育児の板挟みになると、ストレス過多に苦しむことになります。
分担することの逆効果—お互いの期待に応えられないジレンマ
役割を分担すること自体は問題ないのですが、あまりにも厳密に役割が決まると、育児全体を見渡す柔軟さを失うことがあります。
例えば、急なトラブルが発生したとき、「自分の担当じゃないから」と後回しにしてしまい、最終的にその対応を母親に任せることが増えてしまいます。これが繰り返されると、母親は不満を感じ、パパは「頑張っているのに」と感じる状況になります。
必要なのは育児シェア
厳密な分担は負担が偏りやすく、かえって疲れやすいのが現実です。役割に固執せず、お互いが協力し合う「育児シェア」を取り入れることで、予期せぬトラブルにも対応しやすくなります。
より具体的なシェア育児の工夫については、下記の記事も参考にしてみてください。
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自分の時間を持つために必要な努力と、趣味の大切さ
子どもが生まれるということは、自然と自分中心から子ども中心の生活にシフトすることを意味しますが、それでも、ストレス発散のための趣味や休息の時間は必要不可欠です。
育児に積極的に関わることは大切ですが、それと同時に自分の時間や趣味を切り捨てないための方法を見ていきましょう。
趣味や自分時間の重要性
趣味を通じてストレス解消
趣味や自分の時間を持つことは、ストレス解消に非常に効果的です。たとえ短い時間であっても、自分が楽しめることに没頭することで、育児や仕事のプレッシャーから解放され、心の安定を取り戻すことができます。趣味が精神的な健康をサポート
育児や家庭のプレッシャーから解放されるための「逃げ場」を持つことが、精神的な健康に繋がるのです。ママもパパも、ストレス発散できる時間を持つことで、育児に対するエネルギーが充電され、また次の育児に前向きに取り組むことができるようになります。
自分の時間をもらうための工夫
日頃から積極的に育児に関わり、妻の負担を軽減する
自分の時間を確保するためには、まず育児に積極的に関わり、妻の負担を軽減する姿勢が大切です。日常的に協力し合っていれば、夫婦互いに自由時間を設けやすくなります。交代でワンオペ育児を行い、双方の自由時間を確保する
休日などに交代でワンオペ育児を行い、片方が自由にできる時間を作る工夫も効果的です。たとえば、パパが一人で育児を担当し、ママに自由時間を提供できれば、お互いの自由時間に繋がり、パパ自身も自分の時間を捻出しやすくなります。
自分時間を確保するために
自分の時間を気持ちよく確保するためには、家庭内のコミュニケーションが大切です。下記は飲み会についてをたとえ話に、時間の捻出などを記事にしたものです。また、ゲームなどの趣味の時間の捻出方の記事もピックアップしました。よかったら参考にしてみてください。
パパの気持ちを知ってもらうためには
パパが育児に関わる中で感じる孤独感やストレスを軽減するためには、ママに自分の気持ちを知ってもらうことが大切です。
しかし、そのためにはまず、パパ自身がママの気持ちを理解し、共感する姿勢が求められます。パパがママの心情や負担を理解することで、互いの理解が深まり、自然とパパの気持ちも伝わりやすくなるのです。
やっぱり、自分の気持ちをわかってもらうには、まずは僕がママの気持ちを理解するのが大事なんだよね。
そうだにゃ、ママも育児や家事で大変だから、パパがサポートする姿勢を見せるとお互いに共感しやすくなるにゃん。
『ありがとう』とか『助かってるよ』って、ちょっとした言葉で伝え合うだけで、気持ちも通じやすくなるよね。
ママの負担に目を向ける
育児と家事のプレッシャーを理解する
母親は、育児だけでなく家事の負担も抱えることが多く、心身ともに疲れやすいものです。パパがママの負担やストレスに気づき、家事や育児のサポートを率先して行う姿勢を見せることで、ママもパパの育児に対する姿勢に共感しやすくなります。感謝と労いの言葉を忘れない
互いの負担を理解し合うためには、小さなことでも感謝の気持ちを言葉で伝えることが大切です。パパからママに「ありがとう」や「助かっているよ」といった言葉が自然に出ることで、家庭内のコミュニケーションが円滑になり、パパの気持ちも伝わりやすくなります。
ママに伝えたいパパの気持ち
一緒に育児を支え合いたいという姿勢
パパも育児に積極的に関わり、家族を支え合いたいと考えていることを、積極的に伝えましょう。パパが育児に真剣に向き合っていることを知ってもらうことで、ママも安心し、信頼が深まります。パパ自身が感じている不安や悩み
育児に関する不安や悩みがある場合、それを素直に共有することも大切です。パパもママと同じように、子育てに不安を感じたり、負担を感じたりすることを打ち明けることで、ママとの理解が深まり、支え合う関係を築けるでしょう。
父親の育児と仕事の両立を支える職場での理解と協力
職場の環境を整えることも、育児ストレスの軽減に繋がります。仕事への意欲を維持するためにも積極的に相談していきましょう。
職場での協力を得るための工夫や、効率的な業務の進め方、チーム内での支え合いの重要性についてご紹介します。
やっぱり、職場に育児の予定を伝えるのって少し遠慮しちゃうんだよね。
そうだね、育児のために効率よく仕事を進める工夫をして、チーム内でも信頼を築いておけば、気持ちも伝わりやすくなるかも。
職場でスムーズに理解とサポートを得るためのポイント
育児関連の予定を周知する
大変な新生児期は早退しやすい環境を作ったり、必要な育児予定を職場に伝えることで、周囲の理解を得やすくなります。業務の段取りを整える
育児時間を確保しながらも、業務の優先順位や進行を計画し、支障が出ないように準備しましょう。生産性を意識する
限られた時間内で目標を達成するために、作業効率を高め、着実に仕事を進める努力が必要です。チーム内での助け合い
日頃から助け合う姿勢を持ち、仕事ぶりで信頼関係を築いておくと、育児のサポートも得やすくなります。
パパの産後うつと孤独感を軽減するために
育児中のパパが感じる孤独感や無力感、そして産後うつの問題は、仕事と育児の両立によるストレスが要因となることが多いです。
母親とは異なる形での辛さや悩みがあるため、決して軽視せず、家族全体の問題として向き合っていくことが大切です。お互いが支え合うことで、パパの心の負担を軽減し、育児をより前向きに捉えられる環境を整えていきましょう。
育児のシェアを意識すること
育児の分担は固定的なものではなく、互いに柔軟にサポートし合うことが求められます。互いの負担を理解し、役割に縛られずに協力する姿勢が大切です。自分の時間や趣味の大切さ
自分の時間を持ち、リフレッシュすることで、育児や家庭に対するエネルギーが保たれます。お互いにサポートし合いながら、心の健康も大切にしましょう。パパの気持ちを知ってもらうためのコミュニケーション
パパが自分の気持ちを伝えると同時に、ママの気持ちにも耳を傾けることで、互いの理解が深まります。家族全体が支え合うことで、育児の負担も軽減され、家庭がより安心できる場所になるでしょう。職場の理解を得るための工夫
育児関連の予定を職場に周知したり、業務の段取りを整えたりすることで、職場からのサポートや理解が得られやすくなります。日頃からチーム内で助け合い、信頼関係を築くことも大切です。
育児は決して一人で抱えるものではありません。パパとママが共に支え合いながら、育児の喜びや困難を分かち合い、家族全体の幸せを築いていきましょう。
この記事を書くにあたり、以下の文献を参考にしました。
参考文献:東洋大学学術情報リポジトリ(父親の育児ストレスに関する文献検討)
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